お役立ちコラム
気合を入れてチェックしろ。ダブルチェックの徹底は漏えい防止に本当に有効なのでしょうか?
個人情報漏えい事故が発生すると、ダブルチェックを徹底しますという「気合を入れてチェックする」対策が報道されます。意味はないとまでは言いませんが、これではヒューマンエラーは防げないと考えます。
ダブルチェックの弱点は、1回目の作業者と2回目の作業者が同じことをするので、互いに確認を依存して気が緩みがちになる点です。手抜きや確認の形骸化もありますが、何よりも確認のたびに他人の時間を使う心理的な負担が互いに気の重い場面となり、チェックを早く終わらせることに意識が寄せられていきます。ダブルチェック経験者のあなたもそう思いませんか?
ダブルチェックはどのぐらい事故防止に役立つのでしょうか?
事故事例を見ると、再発防止策に「ダブルチェック」を挙げた事業者は51.9%と半数を占めていますが本当に効果があるのでしょうか。
少し考えてみましょう。
ダブルチェックとはエラーそのものを減らすものではなく、エラーの「発見」を目的とするものです。
それだけならダブルチェックをシングルチェックに戻せないのでしょうか。
ダブルチェックをシングルチェックに戻すメリットは、とにかく時間が捻出できるることです。
より時間をかけてひとりで確認できますし、部署内での業務の中断が発生しづらくなります。
人の仕事を中断し時間を使わせている負担もありません。
自分一人でチェックを行う責任感と自覚は個人の注意深さを引き出します。
セルフチェックのコツは1度目の作業とセルフチェクの間に時間を置いて、頭をリフレッシュさせることです。
1.休憩やトイレに行き少し時間を挟む
2.短時間で終わる違う仕事をやってから、改めて作業に取り掛かる
3.作業場所を変える
4.ほかの何かに気を取られているときはミスを招くので、仕事を替わってもらう。
環境を変えるだけでも、見方はだいぶ変わってきます。外出直後に忘れ物に気づくのと同じです。
特に1~3は簡単ゆえに効果は抜群です。
ダブルチェックの効果ばかりを狙わず、ダブルチェック廃止の方向で仕事を見直すのは如何でしょうか。