お役立ちコラム

データではなく、人をみる

「 データではなく、 人をみる 」

― その個人データにはどんな意味があるのかを考えよ! ―

「病ではなく、人をみる」は、現代の病院の基礎を築き上げたイギリスの看護師、フローレンス・ナイチンゲールの言葉です。どんなに医学がすすんで病気を克服できる確率が上がっても、病人の心に巣くう不安や恐怖まで救うことは、その「人」をみないと出来ないことです。

 

「病気」だけをみることと、「病人をみること」に取り組むことでは、明らかに仕事の質が異なります。患者は一人ひとり異なります。今の医療現場では、病人に寄り添い、それぞれの抱えている悩みや思いなど、心の状態までの対応方法をデータベース化する取り組みも進んでいるようです。

 

看護の世界だけでなく、あらゆる事業において顧客や従業員、取引先担当者などのさまざまな個人情報がデータベース化されて、個人データとして社内にて保持・利用されています。

人の病気の情報ほど機微なものではなく、何かの商品やサービスを利用した人の情報だからそこまで重要ではないという扱いは非常に危険です。

 

個人データは、会社の決算書に金額として資産計上されなくとも、ビジネスにおいて大切に保持し有効に活用すべき資産です。同時にそのデータは、個人の人権にも関わるものです。だから法律では、漏えい事故に刑事罰が伴うのです。経済的価値だけでデータを見るのでなく、顧客という人を守ろうという姿勢が求められます。

 

商品やサービスを利用した人の情報からは、その人の生活の背景や履歴となる過去、人生の様々な局面が読み取れることになるでしょう。本人だけではなく、大切な家族全体までつながる情報に及ぶこともあります。病気などの身体情報や財産などの金融情報、差別や犯罪を呼び寄せる情報だけが重要ではないのです。その人にとっては絶対に守りたいものは、一人ひとりその種類が異なります。

 

個人情報は単なる仕事上のデータとして捉えて扱うことも出来ますが、少し想像力を働かせれば、そこに人の人生においてどれほど大きな意味が織り込まれているのか分かりません。

 

名前の書かれた書類があれば直ぐに裏返しにして他に見せない。そんな人を守ろうとする密かな優しい所作をみんなが身につけていけたらと考えます。

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