事故から学ぶ

郵便局におけるお客さま情報の紛失(調査結果)株式会社ゆうちょ銀行

事故概要

業種 民間企業
発生時期 2021/11/18
漏えい人数 72000
事故概要

日本郵便株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 衣川 和秀)において、投資信託取引及び国債取引に関する「金融商品仲介補助簿」の社内紛失が 4 郵便局で発生した件につて、2020 年 11 月18 日にお知らせしましたが、他の郵便局での同種事案発生の有無について、投資信託及び国債を取り扱う全ての郵便局(以下「全郵便局」といいます。)に対して調査を実施しましたので、その結果及び再発防止策についてお知らせします。
調査の結果、約 3 割の郵便局で同様の社内紛失事例が認められました。社会的・公共的役割を担い、信頼を第一とする弊社として、このような、お客さま情報の紛失が発生したことは、誠に申し訳なく、お客さまに多大なご心配をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げ
ます。
今回の事態を真摯に受け止め、電子化を含む業務手続の見直しや継続的な社員指導により、個人情報保護・管理の徹底に努め、信頼の回復に全力で取り組んでまいります。
1 概要
郵便局で取り扱った投資信託取引及び国債取引のお取引内容が記録され、法令上、郵便局での 保存が義務付けられている「金融商品仲介補助簿」(法令上 7 年保存のところ社内規則上 10 年保存。
以下「仲介補助簿」といいます。)が、適正に保存されているかを、査室社員(日本郵便株式会社本社検査部所属)が全郵便局を訪問し確認しました。
調査の結果、全体の約 3 割の郵便局で、保存されるべき仲介補助簿が保存されておらず、社内 紛失となっている事実が判明しました。
2 調査結果
2020 年 12 月から 2021 年 11 月までに、全郵便局 19,816 局(ゆうちょ銀行併設局を除く)に対し、検査室社員が訪問して、2010 年度から 2019 年度までの仲介補助簿※1の保存状況を確認し、6,389 局※2(32.2%)で仲介補助簿の社内紛失が判明しました。顧客数は約 72,000 名分です。
また、仲介補助簿の確認と併せて、2010 年度から 2019 年度までの仲介補助簿以外の書類※3を確認した結果、176 局(5.5%)で約 142,000 名分の社内紛失が判明しました。
なお、これら郵便局で取り扱う書類については、郵便局外に持ち出す必要のない書類であること、社員への聴き取りや関係書類から、紛失した書類は、保存期間の認識相違や保存する箱を入れ間違うなど、誤った手順により廃棄された可能性が高いこと、また、これまでに本件に関係すると考えられるお客さまからの照会、不正な要求等は発生していないことなどから、外部への情報漏えいの蓋然性は極めて低いと考えております。
また、仲介補助簿は、紛失分も電子データで復元し、仲介補助簿以外の書類も併せ、法令上の問題からお客さまにご迷惑をおかけすることはないものと考えております。
※1 記載顧客情報は、氏名、記号番号、取引内容(購入・解約)、取引金額、銘柄等 ※2 この他、2020 年度取扱分証拠書等保存箱を全郵便局で点検(2021 年 7 月から同年 9 月まで)した結果、2 局で仲介補助簿等の紛失を発見。なお、2021 年 10 月以降、検査室社員による郵便局に対する検査の際に、書類の管理体制を確認していますが、現時点で、書類の紛失は確認されておりません。
※3 払込取扱票(各種料金等の払込み)などの郵便局控え書類で、記載顧客情報は、氏名、取引内容、取引金額等
3 社内紛失の原因等
郵便局で取り扱う仲介補助簿等の書類は、社内規定により、それぞれ保存場所(郵便局又は集中倉庫※4)や保存期間を定めていますが、大多数は、郵便局における保存期間の認識相違や保存する箱の入れ間違いにより、保存期間内に誤って廃棄してしまったものです。
仲介補助簿については、投資信託や国債の取扱いごとに作成方法が異なっており、その手順が十分に浸透していなかったことが、多くの郵便局で社内紛失をもたらす結果になったものと考えます。
郵便局におけるお客さま情報の紛失(調査結果)また、仲介補助簿以外の書類の紛失についても、郵便局で紙媒体で作成・保存すべき書類が膨大な環境にあることが、誤取扱いにつながったものと考えられ、仲介補助簿やそれ以外の書類紛失に関して、本社での郵便局の実態把握が不足していたことから、紙媒体で作成・保存すべき書類を 見直すなどの手続改正や、正規取扱いに関する十分な指導ができていなかったことが大きな原因と考えます。
※4 日本郵便が委託契約している事業者の倉庫施設で、全国に 4 か所(北海道、栃木県、滋賀県及び福岡県)
法令等で自局保存が義務付けられたものを除き、郵便局で取り扱った大半の書類を保存 4 発覚の端緒
2020 年 11 月、株式会社ゆうちょ銀行による郵便局に対する業務モニタリングにより、複数の郵便局で、保存すべき仲介補助簿の社内紛失が発覚したものです。
5 お客さま対応
お客さま情報の社外漏えいの蓋然性は極めて低く二次被害の発生のおそれはないと考えられることから、個別のお客さまへのご連絡は本件公表をもって替えさせていただきます。
ご懸念のあるお客さまには、下述問い合わせ先にご連絡くださいますようお願いいたします。
6 経営責任・関係者への措置
本件事案は、郵便局での誤取扱いにより発生したものですが、多数の郵便局で発生するなど、取扱いごとの手順が十分に浸透していなかったことから、本社の管理責任が大きいものと考えます。
その責任を明確にするため、関係役員に対し、厳重注意の措置(3 名)を行いました。
7 再発防止策
(1)仲介補助簿は、取引後にお客さまからのお問合せに対応するため保存していたものですが、紙媒体の保存を廃止し、電子データによりお客さま対応を行うことに改正しました。(2021 年 6 月)
(2)仲介補助簿以外の書類の紛失防止策として、郵便局での保存書類の削減、電子化(ペーパーレス化)を順次進めてまいります。
(3)社員に対し、個人情報の保護に関する指導を継続して行ってまいります。
(4)検査室社員による郵便局への検査を継続して行ってまいります。

引用元 株式会社ゆうちょ銀行

■ 事故原因

事故の原因はチェックリストの下記項目が該当すると推察します。

(第20条)安全管理措置
(第21条)従業者の監督 作業ルールの徹底 (紙データの紛失防止)

チェックリストにある要求ルール:

紙書類の持ち出し時はカバンに入れ、落下や風による飛散を防いでいますか。
紙書類の輸送や移動が伴う場合は、落下防止、飛散・散逸しないようカバンやケースに入れて輸送をしていますか。
重要情報入ったカバンを持ち歩く必要がある場合は、肌身離さず持ち歩るくことを徹底教育していますか?
電車の網棚に載せたり、カバンを車内に放置して車から離れたりしていませんか?
個人情報が記載されたを書類を、机の上に放置せずに、書庫に保管し施錠するなど、紙データの紛失防止していますか?
作業を中断した際は、机に放置せず、その都度保管庫に戻していますか?
外出先や自分の机以外の場所で作業をしたときは、確実にカバンに戻したことを確認していますか?
出先でのカバンへの収納確認は一人で行うため、カバンに入れたこと、作業場所に何も残っていないことの2面で確認していますか?
個人情報を所定の保管庫から出し入れする際は、管理記録を個人名付きで記録していますか?また保管庫の施錠時には、内容確認を2名以上で実施していますか?
個人情報の持ち出しは、規定に沿って許可を得て行っていますか?
個人情報が記載された書類を第三者に見せたり、あるいは見える状態にしていませんか?
委託先にもまったく同じレベルで、個人情報の取扱い規則の周知徹底と監視監督をしていますか?

■ 推奨対策

対策:

気づいたときには紛失していた、というのが紛失である。
防止策は、紛失しそうな場面を想定し予防策を全員に考えさせることが第一歩になる。
ああしろ、こうしろ、では記憶に残らない。紛失防止策は自分で自分にコミットすることが必須である。なくしそうな紙書類は無くさないように頑張るのではなく、使わない、持ち出さないように自分の仕事の方法を変えることである。

具体例:

紛失事故がおきた場合は、組織の管理体制の不備という評価が下る。紛失防止に組織として何をすべきだったのか、これからなにをすべきかを全員で考えることである。考えなければ記憶に残らない。職場全体の紛失防止の意識の醸成教育を計って頂きたい。

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